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NEWS
Twitterメインで行きます。気が向いたら更新されるかもしれませんけど、ブログが更新されることは期待しないでくださいね。

2010/10/19

2007/01/12

写真の力

今まで写真集なんてものに全く興味がなかったのだけれど、一つだけ、気になって持ち続けている写真集があります。2002年に東京のマグナムフォトが行った写真展の目録です。写真展のタイトルは「Love & Love」。

おーー、偶然のタイミングなのでしょうか。今このマグナムフォトサイトのトップページで、ランダムに表示される写真は、この写真集の中のものです。

この写真集を見ると、世界中どこにも”人”がいるんだと感じます。ニュースやテレビ番組では見られない感覚です。キャプションの一部です。
  • イスラエルのアラブ女性。東エルサレム
  • ラスベガスのカジノにて
  • ハーレムのアポロ劇場で出演を待つ少女達。ニューヨーク
  • チコ河で遊ぶ子供たち。パナマ
  • ダンスのレッスン。プノンペン(カンボジア)
  • ポーカーに興じるウォール街のエギゼクティブ達。ニューヨーク
  • クラブのVIPルーム。リッチオーネ(イタリア)
  • クラスノヤルスクの巨大刑務所。シベリア
  • ミス高齢者コンテスト。アリゾナ(アメリカ)
  • ビーチのカフェで客と戯れるウェイトレス。サンタクルス(ボリビア)
  • 交通渋滞。カルカッタ(インド)
  • 主人の結婚式に同席したペットの犬。台北
世界中の日常が集まっています。日本の風景の一枚は、大阪の天神祭でのシーンで、はっぴにはちまき、さらし、扇子といったいで立ちで、携帯電話をいじっている小学校高学年らしき男の子達の姿、というものがありました。

もしこれらの写真を一枚一枚個別に見るとただの写真で終わってしまうか、哀しい民族闘争や退廃的な都会の日常になってしまうのでしょうけれど、こうしてテーマに従って写真集になると全く別の見え方になります。本や美術展のディレクター、美術館のキュレーターの仕事って、こういう事だったんだな、とも気付きました。

この私が持っている写真集は、写真展の目録なので一般には売られていないようですが、似た本を見つけました。「Smile&Smile—100のほほえみ」。同じマグナムフォトの出版で、おそらく私が持っているLove&Loveの一年前に行われた写真展のものと思われます。こちらはISBN番号が付いて一般に書店で販売されているようです。

2007/01/06

腰を据えて

あけましておめでとうございます。訳が分からないうちに新年になったという気分です。クリスマスもお正月も、心構えの無いうちに過ぎて行きました。そして、すでに東京に戻ってきています。

去年の最後一ヶ月は、Irvine --> Spain (Barcelona - Granada - Madrid - Barcelona) --> Irvine --> Tokyo --> 実家、といった移動をしていました。一つの場所に一番長く住んだのが5日間です。年が明けて自宅に戻り、ようやく移動がなくなりそうです。

東京の地下鉄に乗ったときの出来事です。年末近くでした。私が大きな荷物を持って階段を昇っていたのですけれど、急に飲み物が欲しくなり階段の途中でくるっと向きを変えて降り始めました。全く混んでいない駅の階段です。そのとき、下から清掃のおじさんがまっすぐに昇ってきたので、私はぶつからないようにその荷物を抱えてよけました。しかしそのおじさんは私の方を見向きもせず、そのバケツが私にぶつかってしまったのです。そうすると「ここは昇りだよ!ちゃんと(ルールを)守ればこういうことにならないんだよ!!」と、厳しい一言。私はちょっと不機嫌になり東京の世知辛さを感じつつ、アメリカの金銭社会もいかがなものかと思いました。

というのも、アメリカでは、こんなこと絶対に起きません。理由は、お金を払っているお客さんに対してその従業員は逆らってはいけないのです。お金が流れる方向の上流にいる人が偉いのです。会社の社長よりも株主が強いですし市民は市長よりも強いのです。しかし、日本は「お金」よりも「社会」の方が優先だということです。誰がお客であろうと、ルールを守らない人は罰せられるのです。

私は、手すりがあったために階段の下り方向に移動できなかっただけで、飲み物を買いたかっただったのに、ちょっと嫌味な方法でお叱りを受けたので、納得できない気持ちになりました。しかしそのおじさん、ちょっと虫の居所が悪かっただけかもしれません。そして、その数日前まで住んでいたIrvineの街との違いも強く感じました。

Irvineは、アメリカでもさらにお店の従業員が親切でお客さんと楽しくおしゃべりを交わすような街です。もちろん、店員さんだけでなく列に並んでいるお客同士、通りすがり人など、見ず知らずの人誰でもそうです。コーヒーショップに行って、名前で注文を受けて呼び出すのは当たり前。出来上がったときにクリームはどうしますか?と聞きながら隣で待っている小さな女の子に話しかけたり、犬の散歩をしている人と擦れ違っったときに私が犬に興味を示したら、犬は好きか?うちの子はかわいいだろ?ネコは悪魔だ、とかなんとかおしゃべりを始めたり、こういうのが日常です。アメリカ屈指の安全な街、不動産バブルになっている富裕層しか住んでいない街ではありますが、街ではみんな気さくに話しかけ合います。

しかし、あくまでもアメリカ、これは表面上です。通りすがりの人は親切ですけれど、知り合いやちょっとした友達は微妙でしょう。私は地元のアメリカ人の友達があまりいないので良くはわかりませんが、クラスメイトの友達は苦労をしていたようです。人種によるコミュニティの強さも、良い意味でも悪い意味でもあるようです。

さて、移動が無くなるので、全ての荷物を片付けなければなりません。しかも、帰ってきたときにはタンスの中は全て夏物でした。まだ、部屋の整理ができていません。